山﨑
塚田さん配属ガチャっていう言葉聞いたことありますか
塚田
今年になって初めてテレビで聞いたという感じですかね?
山﨑
最近よく目にする【配属ガチャ】って何?という話をしたいなと思います。配属というのは、会社での部署、配属先のことをそのまま使っている感じです。ガチャとは何かというと、カプセルトイと言われる、おもちゃのガチャガチャのことです。
ガチャガチャはやってみるまで何が出てくるかわからない、それと同じで、会社の配属先でどこに入るか分からない、どんな上司か分からない、くじ引きみたいなことが起きていることから、配属ガチャという言葉が生まれました。
配属ガチャと一緒に流行ったのが配属先の上司のことを指す【上司ガチャ】というのもあります。
ただ、よく考えると、日本社会は昔から配属ガチャだったよねという気もしませんか?
塚田
配属ガチャだらけでした!
山﨑
塚田さんの世代だと、むしろそんなの当たり前だよって感じですよね?
塚田
当たり前ですね
山﨑
父母世代の方はどこに配属されるか分からないというのは結構当たり前なのでは?と思っている方も多いと思います。そういう感覚からすると、どこに配属されるかわからないくらいで退職って、それは甘えなんじゃないか、厳しい上司だから辞めるなんてぬるい!なんて方もいそうです。
結の相談でもそういうこともあったりしますか?
塚田
お子さんが具合悪くなって動けなくなると、心配して結に相談っていうこと多いですね。体感ではお父様のほうが多いのですが、なに甘いこと言っているんだ!社会はそんなもんじゃない、厳しいんだぞ!としかりつけて、お子さんはどんどん萎縮しちゃうなんてこともあります。
山﨑
結を通じて変化はいかがでしょう?
塚田
お子さんの様子を観察してもらって、これではいけないと気づいていただく必要があります。
気づいたら結のスタッフも関わることで、変わっていきますね。
山﨑
なるほど、そうなんですね。ひとつキーワードとして重要だなと思ったのは、終身雇用型がいままでの日本の働き方として多かったと思います。
それとは真逆の考え方で、最初から特定の仕事が決められた採用ができるジョブ型採用って言われる働き方が今どんどん増えてきています。これも配属ガチャ嫌だなって思っている方々にとってのひとつの答えなのかなと。
塚田
昔は就職できたら終身雇用・正社員は当たり前という時代。終身雇用だからそのうち上司も変わるだろう、自分も異動するだろう、石の上にも三年の、三年我慢できたら、会社に対する愛着も湧くだろうみたいな、今で言えば神話みたいなものがあったと思います。
その価値観ですと、今の配属ガチャでお子さん達が大慌てなことが理解できないという、親世代の気持ちもわかる気がします。
ただ、お子さんたちからしたら、就職して希望の配属先で「ここで一生懸命頑張りたい」「ここで成果を上げたい」「ここで自分を成長させたい」と思っているのに、「え?そこにいけないの」って。
騙されたみたいに思う方もいるというのを、テレビで見ました。
だからか怠けている・サボっている・甘えているとかいうよりも、ちょっと焦っているのかなっていうふうに感じたことがあります。
山﨑
言われてみると怠けているという感じではないですよね。デザイナーなりたかったのに営業やっているみたいな。そういうようなイメージなのかなと。確かにそういうのは配属ガチャの良くないところですね‥‥
仕事の就き方とか、上司の存在が影響して退職…というは結でありましたか?
塚田
退職されてお家にいるという方は、何人もいますが、結局何で退職したかを親は分からなく、ご本人が話すこともほぼないですね。どこかで誰かに話しているかもしれませんが、親側が知り得ないことは私たちにもわからないですね。
ただ、そこはもう分からなくても、原因追及にそれほどの意味がないですよというふうには言っています。というのは、その原因を見つけて解決してもまた同じような場面が起こったとき、その原因をまた取り除くために一生懸命しなくてはならない繰り返しがずっと起きてしまいます。
その方にとって動けなくなる原因があるにしても、その原因をなんとかやり過ごすことができるような、乗り越えられそうな、生きる術を身につけるにはどうしたらいいかをご両親と一緒に結は考えます。自分でそういうことに気付けるようになって、これ以上やったら自分は苦しくなっちゃうからやめておこうとか。
まず本人が気が付けるようになるにはどうしたらいいのかなというのを、親御さんと一緒に考えているのが結です。
それによって、お子さんが元気になって、じゃあ次のところへ行こうという気持ちになったときに、さあ、頑張っていってらっしゃいと親もちょっと背中を押してあげる。
そういうご家族を目指したいと思っています。
山﨑
若者の新しい価値観はたくさんあると思いますが、配属ガチャをそもそも起こさない方法としてジョブ型採用などが広まっていますので、そうした求人情報を見るというのが結構大事かなと思います。
僕もこのお話しする前に、求人をザーッとみてみました。新卒の方で、大企業を狙う就職活動をしている段階だと、総合職や部署がまだはっきりしてないなどが結構ありますね。
そこから外れて、中小企業とかまで見ていくと、ピンポイントにやりたい仕事の募集自体はあるなあと思いました。視野を広げて就職活動をするのも大切そうです。
山﨑
ここまでありがとうございました!
塚田
ありがとうございました。